みなと

死ぬ前に書いておく。覚えている、2016年6月17日(金)の12時からの昼休み。コンビニへご飯を買いにビルを出て、しばらくは日陰を歩いてそのあと日なたへ。晴れていたか曇っていたかは覚えていないけど蒸し暑かった。湿度が身体に張り付いて、むわっとした気温を感じて、ああ夏だ!なんて嬉しいんだろう!と心から喜びを感じたこと。夏の訪れをこんなにも歓迎できるのは初めてだ、もしかしたら歓迎したことがあったかも、毎年同じくらい喜んでるかも、それを忘れてるだけかもしれないけど。日焼けをするとすぐひりついて黒くなってしまうからイヤなのだけど、でも、もう梅雨が明けたようにギラつく太陽光を浴びるのとか、扉が開いて水中に出てきてしまったかと思うくらいの湿度100%の夜とか、そういう夏らしさが嬉しくてたまらない。これが生きているうちの最期の夏なんじゃないか、と疑うくらいの輝き方と感じ方。素晴らしくて死ぬんじゃないかと思う、前置きをしたのはそのため。マイミュージックをかき集めて夏のプレイリスト作ったし新しい水着を買ってみたりした。去年は盆踊り運が高くて行く先々で盆踊りしていて何度も輪に入ったりしたけど今年もこりずにそうしたい。浴衣着て花火見に行ったりしたいし短い服着てプールや海へも行きたい。現実、予定はほとんどなんもなくて欲望だけが突っ走ってわくわくしているだけなのは知ってる。すべて叶わないとしても、そしたらスイカでも食ってればいいでしょ。二の腕が日光を浴びたり膝小僧が風を感じたりすることが、夏来たなあって思うこと。
「夏を感じて嬉しかったの初めて」って話をしたら「俺毎年そう思ってるよ」と言われて人生損してたのかもと思った でもいいんだ、最近やっと(わたしが思う)人並みの一人暮らし生活を一人で回せるようになってきたと思っているし 洗濯する、掃除機をかける、自分のために自分で調理する、火を通したものを食べる、1週間の予定を立てて生活する、家計簿をつける、節約を心がける、2WEEKのコンタクトレンズを使う、パソコン用の椅子と机も買った 1年とか2年前のわたしだったら絶対しようと思わなかったしできなかったことをしてる とかそうやっていつもどおり、反省せず甘い肯定ばっかりしてる 他人の入る隙がないようにしている、誰にも頼らずに強く生きていけるようになろうと心がけてようやくそうできるようになったのだけど。
突然、なんだか強く惹かれてしまう曲というのが幾つかあるうち、この曲もそうだった。ラジオで、スカートの澤部さんは「目を閉じてゼロから百まで やり直す」という歌詞が一番好きだそう、と言ってたけれど、わたしは「汚れてる野良猫にも いつしか優しくなるユニバース」が一番好き。