そうだね

この週末、コロナウィルスのせい、だけじゃなく体調不良もあり土日とも引きこもっていて、2/29(土)はsyrup16g@新木場STUDIO COAST無観客ライブ生配信@ニコ生、3/1(日)はNUMBER GIRL@Zepp Tokyo無観客ライブ生配信@Youtubeを、見てた。

感想として:同じ時代に生きていること。バンドっていいなあってこと。夏フェスで野外でビール飲みながら見たい。パーソナルな空間で聴くライブも特別。他者の気持ちを可視化して共有できるネット空間。今の時代でもかっこいい音楽かどうか。音楽の懐かしさで実証される過去。これらをつらつらと。

同じ時代に生きていること。12月にZepp Tokyoで生でナンバガのライブ見たときも思ったこと。よく聴くようになった高校〜大学の頃はNUMBER GIRLはもう解散していて、大学のバンドサークルで先輩がコピーしてたナンバガしか知らず、かといってLIVE DVDを見たことはなく、ライブ音源を聴いてた。それが17年とか経って、オリジナルメンバーのナンバーガールを生で観ることができて、しかも遜色ないどころかめちゃパワーアップしてたこと。syrup16gも、正直今はライブ行かなくてもいいかなあ、と思っていたものの生配信を見だしたらわたしが知ってる12年前の、あの解散ライブの武道館の、3/1と変わらないような状態でライブしていて、彼らは年上だけれど同じ時代を、同じ時を生きてるってありがたいことだなあと。大袈裟だけど進行形の愛のひとつの形に触れていることだと思うので、しみじみ感じ入る。

バンドっていいなあってこと。バンドマンってなんでこんなにかっこよく見えるんだろう、と未だに惑わすくらい彼らはかっこよかった。大学ではバンドサークルに入ってたのでその頃の自分がいた空間や雰囲気を思い出したし、アイコンタクトや仕草で合図しあうこととか、人間としてどんなにしようがなくてもセンスや仕事ぶりを信じられることとか、それはたぶん危うくもあるけど、信頼をおける関係性というのはかっこいいし、ちょっとうらやましいなとも思った。

夏フェスで野外でビール飲みながら見たい。お酒は好きだけど普段家ではあまり飲まなくて、でもナンバガのライブ見ながらビール2本あいた。今回は映画を観る環境で、部屋を真っ暗にしてイヤホンつないで見てたんだけど、むわっとした暑い空気の中、日よけの帽子とかかぶりながら、ビール片手に身体揺らして観たいなと思った、のでこれからも稼ぎ続けてくれ。

パーソナルな空間で聴くライブも特別。OMOIDE IN MY HEAD、前日のsyrup16gではYour eyes closed、Rebornでスイッチが入ってぼろぼろ泣いてたんだけど、たぶんその場にいたらこんなに泣きながら見ることはないんだろうとも思いながら。本人を目の前にして、音圧感じながら空気を共有してその場の当事者として見れるのが最高と思うけど、それとは違う受け取り方もあるなとこの生配信で思った次第。見ている側を束縛しない、見たり見なかったりある程度の自由を持ちながら見せる。スポーツの試合は現場の感動と熱気を浴びに赴くもよし、テレビで全体の動きや解説を聞きながら戦略的に見るもよし、とそれぞれのよさを味わえるようになっているけれど、音楽もそれが可能なのでは?とこれを機にどうだろう、なんて。たぶん、あまり許されないんだろうけど。

わたしは、他者の気持ちを可視化して共有できるという点でネット空間のよさを、毎週更新されるマンガアプリのコメント欄で感じているんだけれど、今回syrup16gのニコ生でもそれを感じた。曲が終わった後の拍手だとか、無観客だからこそ文字で聞こえる観客のコール&レスポンスとか。syrup16gの電車が出てくる歌詞で、その生配信を見ている全国のファンが好き勝手に書き込む身近な電車路線がぶわあっと画面を埋めたときも、ああ日本各地のあらゆるところで、この音楽を好きな人がいるんだなというのが可視化されていてうれしかった。

今の時代でもかっこいい音楽なのかどうか?ナンバガは視聴者50,000人に達したようで、予定されていたライブハウスのキャパと比べるともちろん大きいのだけど、果たして多いのだろうか。人生のある時期にずっと聞き込んだ音楽だから現在見て、かっこいいと感動するのだけど、自分より10年遅く生まれた、若者と言われる人たちはこれを見てどう思うんだろう、かっこいいと思ってくれたらうれしいなあと、なんか老婆心みたいな気持ちで思ってた。

音楽のなつかしさで実証される過去。正直、10代の頃とか昔のことって全然覚えてなくて、それはきっとその都度思い返すことがなかったからだろうからなんだけど、恐ろしいことに無意識になんとなく生きていたせいで過去の日常の思い出が希薄。高校や大学の久しぶりの友達は、なんて呼んでいたかわからなくなったり、懐かしい思い出を語られても覚えがなく曖昧に頷くだけだったり。もう仕方ないと諦めがつくようになってきたけれど。それでも、12年前なんかに熱心に聴いてた音楽を今聴くと、打ち消せないなつかしさを感じて、ほとんど思い出せない過去にも自分が生きていたことを実証される気持ちになる。ありがたいような、情けないような。そこで自分の価値観が形成されたせいなのか、そもそも時が経っても人って変わらないということなのか、かっこいいとか、好きだと思っていたものはあまり聞かなくなっただけでそのよさは変わらなくて、あらためて出会えることはうれしい。

異常空間Z!


コーヒーブルース / 前野健太【PV】