ときめき

新年明けましておめでとうございます。本年も宜しく御願い致します。毎年新しい西暦を迎えるたび、未来に来たなあと思います。2017年。
ときめきは食べ物だと思う、と昔言ったしやっぱりそう思う。ときめきをばくばく食べていてそれがエネルギーになって、心が燃えている。人に興味があるってこういうこと、人をかわいいと思うこと、話せてうれしいこと、など、生きてる感情をくれる。ときめきをくれることに感謝である。日々の生活を頑張る。
***
年末に行った石川の片山津温泉総湯潟の湯は最高だった。雑誌の温泉特集で見かけたので行ってみるという新しい試み。うまく作られていて、湯に浸かるとガラスの外の湖の水平線と湯船の水平線が同じ高さになる。想像力、一体感、開放感、という点で、素晴らしかった。次の日にもう一度入ろうと思っても2つある湯が男女日替わりなので同じ湯には入れない。一度更衣室まで戻ったのにもう一度入り直した。夜より夕方の景色の方がよかった。旅館の大浴場からも湖が望めたけれど、あの一体感は総湯ならではだった。今まで行った温泉の中で最高のロケーションだった。
金沢ではゲストハウスに泊まり、年上の女の人と夜ごはんと朝ごはんを一緒に食べ、銭湯に入り、仲良くなった。寒い中宿まで歩いて帰った。その日にたまたま出会ってあんなに親しく話ができるなんてうれしかった。それと金沢21世紀美術館は、美術館が一つの観光スポットとなったところがすごい。美術館へ訪れることは少し敷居が高いように思わせるけど、体験型のインスタレーション知名度が高いしたくさんの人が並んで1,000円とか1,800円とかの入場券を買ってくのだった、一つの観光スポット、レジャー施設として。タレルの部屋では天井が彼の四角形でくっきりと切り取られていて、その空は雲もなく一色に薄青くて、外気の温度を感じたから空だろうと思ったけれど、部屋を出て窓から空の色を確認するまで、本物の空だったのか疑っていた。うまくバスに乗れなくて遠回りをして帰る。
前日の雪の積もった兼六園で、回遊式庭園の良さを初めて思い知る。行き届いた手入れと植物の自然の美しさが相対することなく調和を生み出している。少し前に人と、国歌君が代の「苔のむすまで」の歌詞について話をしていたことが思い出された。日本人の美の見出し方の一つが感じられたので、外国人がたくさん訪れていたことは日本文化を知るうえでいいこと、嬉しいことだと思う。
富山へも行き喫茶店「珈琲駅ブルー・トレイン」へ行った。電車好きのマスターの喫茶店。店の壁中に特急や新幹線のトレインマークが貼られて、模型の電車、北陸新幹線・青森新幹線や貨物列車が店内のガラス張りのジオラマの中を走って、メニューの表表紙にもトレインマーク、もうそれはメニューでもないのかも。夢に溢れてる。交通手段では電車が一番好き、旅に出るのも電車が好き。北陸新幹線も、大宮からでなくわざわざ上野から乗ったのだよ、旅情のため。
毎度のごとくすごい量のおみやげを買って帰る。金沢には和菓子屋さんがたくさんあって、金つばと福梅を3種類ずつ買って家族で食べ比べをした。わたしは金つばはたろう、福梅は森八が一番美味しいと思ったけれど、家族の中では中田屋の金つばが優勢だった。
片山津温泉を歩いて「わたしはなぜここに住まなくて、東京に住んでいるのか?」と自分に問うてみたけれど答えは出ない。わたしはいつまでも東京の"可能性"にうかされているのか。なぜ実家でなく、片山津温泉でなく、ここ東京に住んでいるのか?わたし自身の答えが欲しいしそれを知りたい。
***
年末年始は実家に帰って、家族みんな揃ってゆっくりして、よかった。昼まで寝たり、おせちやらおやつやらずっと食べてばっかりだったり、テレビ見てなんでもないこと話したりして、心がほぐれた。うちの家族は衝突が少なくて、普段はそれぞれにあんまり深入りしようとしない。でもたいしたことない会話をしてよく笑っている。わたしにとっては家族が帰る場所としてあり、それは本当にありがたいことだと思っている。自分の人生や生活や結婚観は置いておいたら、おばあちゃんたちが生きている間にウェディングドレス姿とか見せてあげたいし、両親が孫を可愛がる姿を見てみたい。
年末にリピートして聴いた曲。山口百恵 / さよならの向う側 - 動画 Dailymotion