ゆで卵

最近は、「わたしがもし子どもだったらこう思う」と、どこかにある子供心を思い出すことが多い。小さい女の子が音の鳴る赤い靴を履いているのを見て「あ、わたしもあれはきたいな〜」とか、カレンダーを見て「今年は9月1日が月曜日だから夏休みが長くならなくて悔しいな」とか。なんででしょうね
夏休みは青森へ。 数日間のあいだに、ひとりの人をこんなに好きになったり嫌になったりして、怒ったり嬉しかったり悲しかったりするものなのだろうか、と自分に驚いていた。ねぶた祭り奥入瀬渓流も、iPhoneで撮った写真は雑誌に載っているのと同じように綺麗に撮れているけれど、見たもの全部が写りきっていない。空がほんとうに広かった。
週末実家へ帰って、一人暮らしの部屋へ両親が荷物を運びに来てくれ夜ご飯を一緒に食べて、また家へ帰っていく。近頃は異様にセンチメンタルで、両親と別れるときはすべてになにかさよならのフラグが立っているような気がしてどうにも切なくなってしまう。
自炊をするとあいかわらずとても質素な食事になってしまう。キッチンが、料理をできる広さでなかった。食べ物が、ひとつひとつの食材が、こんなにもうまい!という原始人のような生活。 「ひとり居て卵うでつつたぎる湯にうごく卵を見ればうれしも」 斎藤茂吉