さようなら生活

目しか無い冬。鼻を隠すために外へ行く時は必ずマスクをして出かけていて、鏡に映るのもいつも目しか見えてない自分の顔。こんなに自分の顔を見ないことが多いと、あまり高くない鼻とか口なんてないほうがマシな顔なんじゃないかって思えてくる。自転車で帰るとき、PCグラスをかけているとマスクでメガネが曇ったときに灯りに丸い虹がかかって見えてきれい。大学生のときと比べてだいぶ髪が伸びたので、髪をおろしてメガネを外してマスクをして帽子をかぶって友人に会うとすぐに気付いてもらえない、ということが何回もあって、なんともいえない気持ちになった冬だった。一応ちゃんと、何年も一緒に過ごしていたはずなのに、改めて名前を名乗らなければならなかった。
下北沢で初めて行った美容院にて、気付くと顔の横で伸ばしていた前髪をバツっと切られていて、床に落ちたその黒い長い髪はパーマが少し残っていて意思をもった触覚みたいだった。朝出かけるときに病院の受付を済ませて帰ってきたおばあちゃんに会って、「あ、おはよう」と声をかけてもらったときの自然なやさしい笑顔。友達から外国のおみやげでシルクのハンカチーフをもらって、使うのもったいないねってお父さんに話したら「使いなよ、生きてるうちに」って言われて、「そうだね」って返しながらびっくりした。「一番楽しい時はいつ?」と訊きあったこと。
2014年仕事始めの1週間は、周りのものを見て感じることができて、年末と比べて生きてる感じがして嬉しかった。会社の窓から見える夕焼けがキレイだなとかそういうなんでもないこと。年末がいかに死んだ暮らしだったかを知る。これからしばらくは平日は忙しくなりそうで憂鬱な思いがするけれど、石井ゆかりの2014年占いによると年の前半は勝負の時期とのことだそうで、どうしようもないなと思うんだけどこれを励みにしてなんとなくがんばるつもりでいる。忙しくすることや小さなことを優先順位をつけて少しずつ終らせていくことは結構好きで、仕事も趣味のひとつとするのはどうかと考えている。残業は嫌いなので遠慮したいし目標設定やスキルアップについて考えるのは苦手だけれど、趣味のひとつだと考えれば気軽にやっていけるかもしれない。自宅がどうにかして近づいてきてくれないかなとありえないことを諦めずに願っている。
週末、家で必ずしたいこと。1.散らかった洋服をタンスにしまう。 2.一週間のできごとやネットで見つけたイベントの予定を手帳に書き留める。 3.財布にたまったレシートを取り出して、iPhoneで家計簿をつける。 4.自分でコーヒーを淹れて飲む。 5.ラジオ体操。平日はなかなかできないのだけれどラジオ体操はよい。こんなにも不自由なのか私の身体は、と体操を始めて筋肉が凝り固まっているのを感じて毎回思う。でも第1、首、第2と終えると少し動きやすくなっているので満足する。運動不足のあなたにおすすめしますラジオ体操。5:38、初めて見たとき、ラジオ体操でこんなにバイオレンスな音を聴くとは思っていなかったので驚いて、お気に入りのところ。彼女たちのスムースで堂々とした動きは簡単なように見えてなかなか真似できない。