北斗七星

金曜の晩、早く終われたら渋谷に「女っ気なし」を観に行こうと思っていたのだけど、だらだらと残ってしまいどうしようか帰ろうかと迷っていたら会社の人に誘われたので飲みに行った。楽しくはなかったけど、会社の人を知れたということで悪くない会だった。会社の人達と別れて電車に乗ったらだいぶ酔いがまわってきて、途中で座って、起きたら知らない駅。ここまで乗り過ごしたの初めて。間違えてさらに北へ行く電車に乗ろうとする、やめる。途方に暮れて父に連絡するもすでに就寝。タクシーのりばのある出口へ降りてみる、何人も並んでいる。中華そばの赤いちょうちんのさがった屋台。少しお腹がすいてたし、並んでもまだまだかかりそうだったから屋台のラーメンを食べる。600円。屋台で食べるの初めてかも。醤油ラーメン。屋台のおじちゃんの動きはリズミカルできれいだった。合理的であった。あっという間に出される。座って食べる。なにか特別な事してないんだろうけれど、かなり美味しかった。夜遅くなのに恋人に電話。まだ起きてたらしく出てくれる。寝過ごしちゃったことを話す。風邪は少しましになってたみたい。中間テストのある授業に無事出れたという。ようやくタクシー待ちの列が短くなってきたから、私もその列に並ぶ。30分くらい外にいた。結構寒い。星が見えた、オリオン座など。温かいもの飲んだ方がいいよ、って言ってもらってファミマでホットのジャスミンティー(100円)を買った。ラーメンの屋台は店じまい。タクシーが着く、電話を続けようと思っていたのだけど、話そうとしてくれる運転手さんだったため電話に出れないでいると切れていた。こんな夜遅くの電話に付き合ってもらったのに、バイバイもおやすみも言えなくて申し訳ない。ごめん。漫画喫茶のある駅まで行くのと家の近くまで行くのとでは1000円くらいしか変わらないとの事で、家の近くまで乗って行くことにする。タクシーの運転手というのは誠実が仕事なんだと思った。知らない土地で目的地まで連れて行ってもらう間に、遠回りされていても客は気付かない。遠回りして稼ぐ事もできる、最短を行くのは客のため。客は信ずるしかない。行きずりだし、と思って会社のことや自分のことなど話した。タクシーの運転手はこうして知識を手に入れて社会を知っていくのだろうと、思ったので。近くの小学校前まで、6,290円也。約30分の道のり。高い。駅前より星がきれいだった。北斗七星が正面に見える。大きかった。
何かを思うとか考えること、に対して億劫になっている。何も思わないし何も感じない。方法を忘れてしまう。週末の2日間は長いし短いし、やることがあるようでない。職場の派遣社員の人、3人中2人が辞めてしまうと聞く。色んな理由があるだろうけど、私が残る会社を他人が辞めていってしまうというのは悲しい。派遣社員というのは辞めたい、と思ったら辞めれるのだろうか。いいなあ。
「お酒強いって聞いたよ〜」「え、そんなことないですよ、普通ですよ」 酒に強い弱いっていう話されるのに飽きたので、職場の女の人が「普通ですよ」って言ってるの聞いてこれは使える、と思って私も「普通ですよ」と言うことにした。普通って言うと、あんまり突っ込まれることがなくなる。何も説明する必要がなくなる。バンドやってたのも、ダンスやってたのも、フランス語やってたのも、「過去の話ですよ、今はできないです」って言っている。今の私には大して何もないし、何も伝えたいことない、話したいことない。話すことがめっきり減る。毎日何かしら話してはいるけど、仕事の話とか会社の人の話とか、大体「そうなんですね」って相槌を打って聞いているだけ。自分のこと話すことって少なくなった。高校生の頃を思い出す。自分のことを人に話すこと全然なかった。大学に入って上手く話せなくてひどくもどかしい思いなどした。またそういう風になっていくのかな。自分が発話することで気付くことがある。「過去の話ですよ」って言ってしまうことには少し悲しい気もしている。
期待されることや褒められることがこわい。よくわからんけど異様に褒められたりするので、勿論喜ばしいことであるんだけれど、恐ろしくなってくる。そんなに評価してもらわなくていい。評価を真に受けてるのがまず阿呆なんだけれど、それを裏切れないと思ってしまうのも阿呆なんだけれど、重くのしかかってきていわゆるプレッシャーです。私は当たり前のことを努めて当たり前にやるようにしているだけだ。
12月になった。1年の締めくくりの月だ。やっと終わる。 名刺をなくす夢を見た。他人の名刺は名刺ケースの中に束になって入っているのに私の名刺は1枚もない。これか、と思って違う名刺を渡してしまう。夢占いによると名刺をなくす夢は自信喪失、とか力量不足を表しているらしい。まあまさにその通りだ。眠ったらこの不安も忘れられるだろうと思って寝たのに、こんな夢を見て目覚めるとはな。まあ確かに努力は足りてない。がんばろ、と思わされるのは他人の生活に触れたとき。自分の部屋へ帰ると忘れてしまう。怠惰な部屋。
今日は髪を切りにいく、まだ短くはしない、たいして変わらない、まだ長いままでいようと思ったり短くしたいと思ったり。短い姿に憧れること、あるのにないことに憧れてるということ。いつ短くしようか。正月か。
遠くへ行く計画。