これが現実だ

3/11は南池袋ミュージックオルグへ、yumboとかえる科のライブを観に行った。かえるさんこと細馬さんの歌は、スナックのカラオケで歌うような親密さと自由さが感じられて、あたたかかった。Wham!の「Last Chirstmas」の替え歌「前のクリスマス」が最高におもしろかったなー。一緒に歌って歌詞まで覚えてしまった。木下和重さんのバイオリン、歌はとても激情的だった。宇波さんの弾くギターから聞こえてくる旋律は、話しかけられているみたいだった。そしてyumbo。演奏を始める前に、渋谷さんが1曲ずつその曲についてのエピソードを語ってくれた。yumboの歌は、その女性ボーカルから受ける印象を含めて、どこか現実から離れた、文学のような世界にあると思っていたけれど、そのお話と実際に目の前で演奏され歌われる様を眺めて、「あ、そんなに遠くないんだな」と感じた。「さみしい」という歌において、特にそう思った。「真っ直ぐな道で さみしい」「電話を切られて さみしい」「からだの重さが さみしい」「家を壊されて さみしい」「テレビの明かりが さみしい」、ファンタジーのような、比喩のようなふわっとしたことばかと思っていたけれどそうじゃない、全部本当なのかもしれない。歌詞カードを手元に置いて聴きたい。メンバー間で楽器をぐるぐると交換して、何人かのゲストも交えての演奏。それが可能であるという、楽曲の寛容さが見えた。4/28には町田のお寺でのライブがあるそうなので、また、確かめにいきたい。
後から答え合わせするのは、むなしい気持ちになる。/のらりくらりと言葉を交わしてしまう私は、もっと真っ直ぐ向き合うべき。
私は私の記憶を信頼しない。記しておかないとすぐ忘れてしまうし歪めてしまう。なんとなく忙しくしていて、ゆったりと文章を書けないのはひどく窮屈なことです。バランスとリズム。
東直子さんの「愛を想う」をまた、ぱらぱらと眺めている。彼女の短歌の特徴なのか、雪舟えまさんの影響か、印刷された短歌を読むと、頭の中で女性の声で再生される、私も口に出してみたくなる。友達から、穂村弘さんの本を借りている。
「思ったこと溢さないよう立ち上がるわたしはわたしを恐怖している」東直子