3DK

バイト中、ちょっとしたことで突然とてつもなく悲しくなって涙が出そうになったけれど急に泣くなんてさすがにできない。行きの電車で読んでた村上春樹の文章で登場人物が「やれやれ」と鍵括弧付きで言ってたのを思い出して、人間が「やれやれ」「やれやれ」と声に出して呆れる様を思い浮かべてどうにか乗り越えた。あとでちょっと泣いた。
別れを悲しんでもどうしようもない、いつかまた会えるし会えないし、悲しみかたがよくわからん、こういうものだったはずだし、と諦めるクセ
「人の一生は瞬きのような。ポッと瞬いて消える。それが六十億もあるのだからなんとなく生きているように見えるのではないだろうか。本当は一瞬、ポッと光って消える。どこに行くのでもなく、どこからか来るわけでもない。  こんなことを考えるのは、このガーデンプレイスへとつづく動く歩道が長すぎるせいだと思った。」―前田司郎『愛でもない青春でもない旅立たない』