なみかぜ

頬。心の平静を保っていられなくなり、そうになる、ならない、年末。満たされる気持ちにもなる。ひとりですっくと立ちたい。
笹井宏之という歌人を知った。ツイッターで 「しあきたし、ぜつぼうごっこはやめにしておとといからの食器を洗う」 という歌を見かけて、それだけで、歌集『てんとろり』を買った。はじめに読み終えて、私が好きだなと想った歌が2首。彼が世界のあらゆるところに映っている。生活の中で、誰かの文章の中で、そのひとつの歌が現れたとき、ふと見かけたとたん、歌からみえるさみしさややさしさや愛の反映に、こころがふるえて膨張する、涙がにじむ。
「いつかきっとただしく生きて菜の花の和え物などをいただきましょう」
「冬を越すことのできない花たちへおゆかけている おゆ あたたかい」
 
よいお年を。