なぜぎこちなくなってしまうのだろう

音楽が生活を中和するもののように思えている。高校生の頃、保健だよりを読んでいて 私にとっての音楽の位置づけは「薬」のようなものなのかもしれないと思ってからずっと そう思っているのだけど、私は音楽を聴くせいで生活を曖昧にしているような気が、する。本に出てくる主人公は音楽なんて聴きもしないで、夜になると迫ってくる孤独と向き合っている。のを見ると、私はそういうものと向き合うのを音楽を聴いていることでぼやかしてしまっていると思える。
自分なんて形成されていなくてひたすらなんでもない薄っぺらだと思っていたけれど、やはりこんなに生きてきていると自分というものはちゃんとあるらしい。と歩いていて気付いた。でもほんとしょうもない。私には諦めが染みついている。もう、どうしようもない。
春は、春にする匂いは、記憶をくすぐるものばかりだと思う。まだ喫茶店という場所に慣れなかった頃に訪れた喫茶店のあの匂いがした。