獣みたい

春の匂いを嗅ぐたびに、なにかを思い出します。それは終わりに近い。煙草より春の大気のほうがおいしいです。でも火をつける。
数ヶ月前とは別の次元で生きています。でも私は今までと同じで変わらないままです。手にしているけれど、失ったほうが大きい気がしてしまう。
後ろから射す春の陽気と あたたかな風、穏やかに続きそうな時間は続くもののようではなく、すぐにぶつりと切られてしまいそうな気配を強く感じる。