男の子と女の子

男と女の違いを意識することって今まであまりなかったのだけど、男の子ばっかりの場所にいて、その会話を聞いていたら、なんだか全然違う世界に住んでいるんだなあと思った。私は、女の子より男の子のほうが単純でわかりやすいのかなあって思っているのだけれど、性別で越えられないものって、やっぱり、絶対、あるんだなーって思ったよ。小学生のプンプンのときの愛子ちゃんや、くるりの「男の子と女の子」みたいに、男の子の遊びのほうが楽しそう、っていう感情、憧れを私は捨てきれずにずっと持っているままなんだよ。かわいいあの子もうなずいて、女子はどろどろしてるからね、って同意しあって、「なんか、ばかやってていいよねー、ばかっていいよなあー」って笑って云ってた。
私は男の子が恋をしているのが、好き。それは、たいていは歌で感じていた部分が大きかったのだけど、最近は周りの人間の中でもそう感じることがあって、きっと好きになってしまったらとことん、好きで、愛するんだろうなあって思うから、かわいいし素敵だなって思う。女の子が男の子を好きになるのって、それとはちょっと違うよね。でもこう云えるのは、いまの自分には何も降りかかってこないから、触らないから、無縁なものだからなんだろうなとも思う。
私がいつもその君たちの感情を理解できないのは、私が非常に鈍感なのか、もしかしたらほかに理由があるのかしら。憂鬱な気分を纏っていた君たちの気持ちを私は察することができなくて、単刀直入に訊いてしまった、気持ちが空気が読めない人間なのだなあ。悔しいという感情はなくて、涙も出なかった。只、満足なんてできていない。久しぶりにこんなに頑張ろうと思えたんだけど、彼女らみたいに涙は出なかったんだよね。非情なのかな、諦めていたのかな。
涙なんてしばらく流していないね。音楽や映画は別として、日常の中で涙に至るほどの感情が見つからないよ。日々感情が削がれて鈍くなっていく気がする。空だけが響くほどアオかった。これから生きていくうえで想像を超える何かっていうのは、ないと思う。想像以上のものなんてないよ。変わらないまま年をとっていくだけだ。失っていくだけ。さよならが云えないだけ。